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DIY工房IZUMI
この工房では、あなたが作りたいものをお手伝いします。基本的な木工機械がすべてそろっています。さらに、アーク溶接機やプラズマ切断機もあります。木工と金工ができる工房です。

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Author:DIY工房IZUMI
中学校の社会科の教員を定年退職して、工房の活動を始めました。「体験を通して学ぶ人間の歴史」をテーマに授業をしてきましたので、「楽しいものづくり」の世界がたくさんあります。ここは「あなたが作りたいもの」を作る工房です。そのための機材が整っていますので、ぜひご利用ください。



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刀装具

2011年2月1日(火) 刀装具の素晴らしさ


1月30日に、松田刀匠宅で開かれた、刀装具の勉強会の報告です。

まずは、その素晴らしい世界を写真でご紹介します。

004 全体 


008 柄 


009 中 


010 中々 


011 こじり 


092 柄頭 

ここに紹介したものは、「復元・模造」という世界の作品です。

中世の優れた刀装具を忠実に復元するという仕事をされている方がいます。

こちらが製作者の上野修路さんです。


032 上野さん 

大学で法律を学び、その後この世界に入ったそうです。

最初は、専門的な知識がないので、

金属の部分を半田を溶かして作ったそうです。

鋳造も、ガス抜き道を作らずに行ったので、

噴火の爆発状態になったりしたそうです。

しかし、その後の研究で、刀装具のすべてを

自身の手で作れるようになりました。

ここで紹介したものは、全て上野さんの手によるものです。



松田刀匠は、手にしている刀の写真を製作し、

それに、上野さんが作った刀装具を付けて、

名実ともに中世の刀をこの世に復元する試みを始めています。

090 松田さん 



下の写真の足金物は、どのような技法で作られたと思いますか?


これは、鋳造だそうです。

このような物は、専門家でも、鋳造か鍛造か見分けが難しいそうです。

多くの博物館や、美術館では、その根拠を示さずに、

鍛造とか鋳造とか表示しているそうです。

中には、絶対鍛造ではできない物を「鍛造」としているところもあるそうです。

実作者の目からすると、おかしなものがまかり通っているそうです。


061 紐部 


この紐は、組紐を研究している方に依頼して作ってもらったそうです。

これは、唯一、春日大社に現存する、鞘についた紐を調査して

復元してもらったそうです。


このように紐の周りを開くことができ、感触はセーターのようです。

075 紐 


※ この紐のことを「帯執」(おびとり)といいます。

  紐の下の鎖を「兵庫鎖」といいます。



上野さんが右手に持っているのは、

左右対称に作られた両刃(もろは)の直刀です。

これは、密教の法具としてよく用いられます。

右手にしているのは、鎌倉期の名刀です。

※ 両方とも本物を堅木で復元してあります。

これをもとにして装具を復元します。

中世では、この二つの刀が、仏法の世界と、

世俗の世界を象徴していたそうです。


051 二つの刀 


上野さんの「復元模造」の仕事を、

「単なる模造でしょう」という言い方で、

軽く扱う人々が、官にも民にもいるそうです。


当日配布された資料からこの辺のことを紹介します。

「X線等による材質や構造の分析や三次元立体映像も

可能なデジタル撮影機器など、機材の発達が著しいのに対し、

学術的な裏付けのある復元模造はほとんど行われていない。

ゆえに、学者らによる実証を伴わない、推測による製作技法の

研究がほとんどである。

問題意識を持った復元模造例としての、自身による二度の

『葦手絵兵庫鎖太刀』の製作ーーーーー  一回目の模造に

よって得られた知見を反映した、より、本歌に近い模造製作を

目指したが、更なる疑問が明らかになり、困難を覚える。

すなわち、①地金の成分 ②金具の製作方法は

鍛造か鋳造か ③地板文様線刻の鑿の種類 ④鍍金、鍍銀

の具体的技法等

これらを解決する上で参考になる公開された情報は皆無

に近く、復元・模造を通して文化財研究する機関の設立が

望まれる。」

※ 私の教員時代のテーマは、「体験を通して学ぶ人間の歴史」

でした。原始時代の授業では、石器を作って肉を切って焼いて

食べたり、縄文土器を作ったり、弓矢を作って飛ばし、狩りの

時代のイメージを豊かにしてきました。古代社会では、織物を

したり、製鉄・鍛造・鋳造の授業もしました。近代の産業革命では、

模型の蒸気機関を使ったさまざまな教具を作り、授業をしてきました。

これらの経験から、実際に物を作って初めてわかることがたくさんあり

これが非常に面白いことを実感してきました。

したがって、上野さんの「復元・模造」の考え方には、とても共感

を覚えました。