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DIY工房IZUMI
この工房では、あなたが作りたいものをお手伝いします。基本的な木工機械がすべてそろっています。さらに、アーク溶接機やプラズマ切断機もあります。木工と金工ができる工房です。

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Author:DIY工房IZUMI
中学校の社会科の教員を定年退職して、工房の活動を始めました。「体験を通して学ぶ人間の歴史」をテーマに授業をしてきましたので、「楽しいものづくり」の世界がたくさんあります。ここは「あなたが作りたいもの」を作る工房です。そのための機材が整っていますので、ぜひご利用ください。



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玉鋼で刃物を作ろう

 12月9日(木) 玉鋼で普通の刃物を作ろう



今回の記事は、12月2日に松田刀匠宅を訪ねたときのものです。

玉鋼(たまはがね)で根付け用の刃物(左刀 ひだりとう)

を作りたいという、根付け師の中村さんを、

千葉の刀匠の松田次泰さん宅へお連れしました。

中村さんについては過去の記事で紹介しています。
(「カテゴリー」の「イベント」の9月15日付のページ)

一緒に、象牙彫刻師の多々羅さんも同行しました。

下の写真は、松田刀匠に根付け用の刃物を見せているところです。

002 左刀見せる 


これが根付けの刃物です。

これを作るための材料を玉鋼で作ってほしいという依頼です。
003 左刀拡大 


鍛刀場で玉鋼の説明を受けているところです。

004 玉鋼全体 



これが玉鋼の材料となる砂鉄です。

005 砂鉄 



手にしているのは、現在出雲で作られている玉鋼の1級品です。

1キロ8千円程度しています。

006 玉鋼1級・3級 



このような段ボール箱で送られて来ます。

「日刀保」と言うのは「日本美術刀剣保存協会」のことです。

009 箱入り 



このような塊になって箱に入っています。
011 箱内部 


手にしているのは、靖国の玉鋼の3級品です。

戦時中、靖国神社の鍛刀部門で軍刀を作るために

作らせていた玉鋼です。

刀匠が言うには、現在の1級品よりも、

この靖国の3級品の方がぐんと質が良いそうです。

なぜ現在の玉鋼の質が落ちているかについては、

① 昔の技術がすべて伝承されていない

② 経済的理由から十分時間をかけてつくられていない

ということらしいのです。

013 靖国3級品 



玉鋼を手にとって選別しているところです。

箱に入ってきた玉鋼がすべて使えるわけではありません。

炭素量の違いなどを見極め、刀のどの部分に使用するかを決めます。

010 選別 


この玉鋼を火床に入れ「積み沸かし」て「折り返し鍛練」を行います。

この工程は、過去の記事の中に収録してあります。

トップページ左の「カテゴリー」の「鉄と日本刀」よりご覧ください。

「下鍛え」の状態なので折り返した部分の境目が見えています。

017 下鍛え 


通常、「折り返し鍛練」は「下鍛え」5回、「上げ鍛え」5回、

合計10回行います。

これは、どのような玉鋼を使い、どのような刀を作るかによって違います。

また、刀匠によっても違います。

下は、素延べした短刀です。

このような鉄の棒が、美しい刀に変身するのですから、

実に興味深いことです。

018 担当素延べ 


中村さんが手にしているのは、素延べした状態の刀です。

021 素延べ刀 


こちらも素延べ状態のものです。
025 素延べ3本 


鍛刀場で説明を受けた後、松田刀匠が作った刀を、

製作年代順に見せていただきました。

刀身に「打ち粉」を打っているところです。

037 打粉 


平成7年の作で、居合抜き用の刀です。
041 平成7年刀 



上の「居合刀」の全体です。

反りが少なく抜きやすい形状になっています。
042 7年刀身 



松田刀匠が刀の細部について説明しているところです。

055 説明 

052 説明中 




こちらは最近の作で、ほぼ鎌倉期の刀に近い

出来映えになっています。 (平成19年作)

その美しさに見入っている中村さんです。

最初の写真の「居合刀」と比べてみると、刀が訴えてくる力が違います。

これは、細かいことは抜きにして、初めて見る人にもわかります。

046 新作 




奥が平成7年の作で、手前が平成19年の作です。

このように製作年代順に見せていただくと、違いがよく分かります。

毎月、この場所で行われている日本刀の研究会は、

このように刀を並べて、一人一人手にとって鑑賞します。

何回も刀を見て行くうちに、刀を見る目ができてきます。

私はここで勉強するようになって2年目になりますが、

確かに最初の時よりも今の方が刀を見れるようになっています。

056 オンパレード 



松田刀匠は、玉鋼でカンナやノミ、包丁などの、

普通の道具を作ることを提唱しています。

私はこのことに賛同して、今回中村さんをお連れしました。

今回の訪問で、松田刀匠に根付け用の玉鋼の材料を

作ってもらう話がまとまりました。

単純計算すると、玉鋼から、ヨウカン1本分の鋼材を作るのに、

人件費を除いて、実質4万円かかるそうです。

したがって、現在の鋼材の値段と比べると、

当然割高になりますが、 この材料で作った刃物は、

それだけの価値を十分発揮して 余りあるものになると思います。

この玉鋼から作った鋼材を入手したい方は、

このブログの「メールフォーム」からお問い合わせください。

松田刀匠への橋渡し役を私が行います。