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DIY工房IZUMI
この工房では、あなたが作りたいものをお手伝いします。基本的な木工機械がすべてそろっています。さらに、アーク溶接機やプラズマ切断機もあります。木工と金工ができる工房です。

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Author:DIY工房IZUMI
中学校の社会科の教員を定年退職して、工房の活動を始めました。「体験を通して学ぶ人間の歴史」をテーマに授業をしてきましたので、「楽しいものづくり」の世界がたくさんあります。ここは「あなたが作りたいもの」を作る工房です。そのための機材が整っていますので、ぜひご利用ください。



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日本刀 折り返し鍛練 その2

9月26日(日) 千葉の松田次泰刀匠宅にて  

ここが松田刀匠の鍛刀場です。この左側にお弟子さん用の鍛刀場があります。 


 032 鍛刀場全体

下にあるのが刀の材料にする玉鋼(たまはがね)です。
砂鉄を原料にして、たたら製鉄で作った鉄を和鉄といいます。
その中で、刀の材料にする良質の鉄を玉鋼といいます。
039 玉鋼全体 

右下の青いプラ箱に入っているのは、玉鋼のかけらで「ジャミ」と呼ばれているものだそうです。塊のものより安いそうです。

中央部の二つを拡大するとこのような状態です。

040 玉鋼アップ 


一口に玉鋼と言っても、出来不出来があり、良質の玉鋼でないと良い刀はできません。
松田刀匠が二種類の玉鋼を手にして、その質の違いを説明しているところです。

077 玉鋼比較刀匠 

手のひらにある大小のジャミのどちらが良質かと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・

083 手のひら玉鋼 

大きい方だそうです。熟練した刀鍛冶なら、見ただけで判別がつくそうです。

玉鋼を積み沸かして、叩いてできたのがこの四角い塊です。
この状態にするのを「下鍛え」というそうです。

057 てこてつ 


手にしている鉄の棒を「梃子鉄」(てこてつ)と言います。
この棒は洋鉄で誰でも買えるものです。
刀匠が指で示しているところまでが洋鉄で、その上は玉鋼でできています。
刀にするのは四角い部分だけですが、洋鉄が混じると悪い影響がでるので、こうしているそうです。
059 ここまで玉鋼 


これから鉄を沸かす工程になります。濡らした和紙でくるみます。
064 和紙にくるむ 

それを泥水の中につけます。
ケイ素分を多く含んだ、ベントナイトという天然の土だそうです。
この泥が断熱材の役割をするそうです。鉄のまま火床に入れると、全体が湧く前に表面が先に高温になり過ぎて鉄がダメになるそうです。
また、この泥が溶けて火花をだすので、鉄の湧き加減を判断するのにも役立つそうです。
このほかにも、いろいろな効能があるようです。


068 土ぬり 


それから、ワラ灰をまぶします。
ワラもケイ素だそうで、刀づくりには欠かせないものだそうです。
このワラの入手が困難だそうです。
幸いなことに、研究会に参加している方(農家ではありません)が、無農薬で米を作り、ワラを提供くださっています。


072 藁灰つけ 

昔から鍛冶屋は、「ワラは鉄と鉄をくっつける接着剤だ」言っていたそうです。
これを、もう少し正確に言うとこうなるそうです。
鉄の表面についた酸化物を 取り除く役割をするそうです。表面に酸化物がついていると鉄と鉄がくっつかないそうです。
鉄を叩いた時に、ガラス状に溶け込んでいたワラが鉄の酸化物と一緒に飛び散るそうです。その時に鉄と鉄がくっつくのだそうです。
昔は製鉄所でもワラ灰を使っていたそうです。
昔の人は、どうしてワラ灰を使うことを考えたのでしょうか。
経験から導き出されたことには違いありませんが、それにしても大したものです。


095 鞴操作 

鞴(ふいご)で風を送り、鉄を沸かしています。
この鞴は専門の職人が作ったものではなく、家を作る大工さんが作ったものだそうです。
形は同じなのですが、専門の職人が作ったものと比べると、風の力が弱く非常に使いにくいそうです。
現在、鞴を作る職人がいなくなり、その技術が伝承されていないそうです。


157 スプリングハンマー 


沸かした鉄をスプリングハンマーで叩き、鍛えていきます。


152 スプリングアップ 


タガネを当てて折りかえすための溝を入れています。

105 タゲネ入れ 

その後は、手打ちで折り返していきます。

114 折り返し 


完全に折り返されました。

116 折り返したところ 

これをスプリングハンマーでたたいて接着し、一体のものにします。
この工程を「折り返し鍛練」といいます。これを10回行います。


126 また打ち延ばす 


このように表面には酸化物が付着しています。
これをそのままにしておくと悪さをするので欠き取ります。

165 塊 


そして、ワラ灰の中に入れてまぶします。


229 藁灰の中に 


そして、また火床に入れ、鞴で風を送り、鉄を沸かします。


233 鞴火花 

今度の折り返し鍛練は、昔ながらの向鎚(むこうづち)を使って行います。
ここからお弟子さん二人が担当します。


235 折り返す 向鎚の準備 

向鎚の打ち方を見せてくれているところです。
右側で座っている人の指示で鎚を打ちます。
三拍子のリズムで打ちます。


249 弟子向鎚 


希望者には向鎚を体験させてもらえました。10人くらいの方が体験しました。
女性の方も頑張って打っていました。
私もやらせていただきました。
まずは、打ち方の練習です。

278 私練習 

本番です。ヘッピリ腰とはこういう格好ですね。
お弟子さんが打っている時の姿とはずいぶん違います。
ともかく、折り返し鍛練の一部をやらせていただいたのですから感激です!

279 私叩く 

ここまでが鍛刀場での研修で、次は刀の鑑賞です。

284 刀 


このように手にとってじっくり鑑賞することができます。
博物館のように、ガラス越しに見るのとは大違いです。

285 刀鑑賞 

来月はこの続きで、「甲伏」(こうぶせ)の工程を実際に見せてもらえます。
心鉄(しんがね)を、皮鉄(かわがね)で包み込む行程です。

※ この研究会についてのお問い合わせは、トップページ左側の「メールフォーム」よりお願いします。












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